全体会議テーマ 人生の仕組み(1)

今回の全体会議でこれらの話をしようと思ったきっかけは、すべての社員に生まれ変わるほどの変化が必要だと感じたこと、それほど私の経営理念と現実が乖離しているのです。
『人生の仕組みを知らない』又は『人生について考えない』人たちが多いのです。せっかく私の下に集ったのですから、思想や理念を理解していただかなければなりません。
また一部エミールクーエの法則の話をしたら素直に実践し成果をあげてくれた人が出たことも私がこのような話をする後押しとなりました。

そんな折、サミュエルスマイルズのSelf-Help 完全訳が出版されました。
これは『西国立志編』として明治4 (1871) に中村正直翻訳し刊行され福沢諭吉の学問のすすめとともに2大ベストセラーになったものです。『自助論』とも訳され近代的人間の確立を目指して刊行したとされます。この本は重版(増刷)を繰り返し今までも多くの人に読まれてきましたが今年完全訳として改めて出版されたのです。

Self-Helpの初版は1859年ですがこの自助という言葉を筆者の意図と違って受け取る人が多かったのでスマイルズは1866年に若干の書き換えを行っています。今回、完全訳を出したPHP研究所出版のこの本の中で訳者の前書きの中にある言葉が、私の理解と同じであったので、本を社員に紹介しました。(前訳の部分と本文の極一部)本文は過去(18-19世紀)の人々の苦労と成果の話でこれは自助論の「天は自らを助くる者を助く」の事実の列挙です。

私が社員に伝えたかったのは訳者が辿り着いた「天(神)は自ら努力するものを助く」という言葉そのものです。私は常々「棚から牡丹餅」という言葉は自序論と同じ誤解をされていると思っていました。「自助論」=「棚から牡丹餅」ならば「天(神)は自ら努力するものを助く」= 「自ら努力するものには天(神)から牡丹餅が与えられる」というわけです。ただ歩き回っていれば誰にでも牡丹餅が落ちてくるものではないこと、努力の仕方を間違えると天の助けが得られないことを諭したかったのです。

 マイルズのSelf-Helpに登場する人物は皆、努力、熱意が途方もなくとてもまねできない、あるいは本当にそこまで正しい心持で努力すれば結果は出るでしょう。ということばかりなので自分と対比するにはハードルが高いです。そこで私は自らの光明思想ベースの持論をほかの方法で説く事にことにしました。

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