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日本神話(14)伊邪那岐命 御身滌(みみそぎ)のくだり 三貴神誕生 4/4

住𠮷大神の宇宙浄化の おはたらきのあと 三貴神のご誕生となります。伊邪那岐命の御喜びと、御子の戸惑いの物語へと続きます。

戸惑いは今回はまだ出てきません。戸惑います。この神様の葛藤というものが私たちに示唆するものがたくさんあるわけです。

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於是左(ここにひだり)の御目(みめ)を洗いたまひし時に成りませる神の名(みな)は天照大御神(あまてらすおおみかみ)。次に右の御目(みめ)を洗いたまひし時に成りませる神の名(みな)は月讀命(つくよみのみこと)。次に御鼻(みはな)を洗いたまひし時に成りませる神の名(みな)は建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)。此の時 伊邪那岐命(いざなぎのみこと)大(いた)く歓喜(よろこ)ばして詔(の)りたまわく、「吾(あれ)は子生(みこう)み生(う)みて、生みの終(はて)に、三(みはしらの)貴(うず)の子得(みこえ)たり」とのりたまいて、即(すなわ)ち其(そ)の御頸珠(みくびたま)の玉緒(たまのお)母由良邇(もゆらに)取り由良迦志(ゆらかし)て、天照大御神に賜(たま)ひて詔(の)りたまはく、「汝(な)が命(みこと)は高天原(たかあまはら)を知(し)らせ」と事依(ことよ)さし賜(たま)ひき。
故、其の御頸珠(みくびたま)の名を御倉板挙之神(みくらたなのかみ)と謂(もう)す。次に月読命(つくよみのみこと)に詔(の)りたまはく、「汝が命は、夜之食國(よるのおすくに)を知らせ」と事依さしたまひき。次に建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)に詔りたまはく、「汝が命は、海原(うなはら)を知らせ」と事依さしたまひき。
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後半は 三柱(みはしら)の貴(うず)の御子(みこ)御事依(みことよさし)のくだり。


令和元年、やさしい古事記解説(私なりの)は三柱貴の御子御事依の段で終わりたいと思います。
伊邪那岐命は御身滌(みみそぎ)の最後で三貴神を お生みになります。大変なお悦びで勾玉(まがたま)の連なった首飾りをユラユラさせながら御子(みこ)一柱一柱に役割をお命じになりました。

三貴神がどこから生まれてどのような役割を委任されたかが非常に重要です。

  • 天照大御神   = 左(火足)の御目  = 「高天原(天上界)を治めなさい」

  • 月讀命     = 右(水極)の御目  = 「夜之食國(夜の世)を治めなさい」

  • 建速須佐之男命 = 御鼻        = 「海原(地上界)をを治めなさい」

月讀命の御働きは その名(みな)のごとく太陰暦を用いて農業や漁業に役立てていた日本人にとっては大変重要なものですが、のちにほとんどお出ましになりません。この後の主役は天上界の天照大御神地上界の建速須佐之男命なのですが、物事はそんなに簡単には進みません。来年のお楽しみですが、建速須佐之男命の行いは本当に神様なのか?と思えることばかり。いろいろな試練を経て、大人になっていく破天荒な男の子そのものです。

ここから物語は、この二柱の神を中心に進んでまいります。ご登場になる神も増えますが、ここから物語を紹介する方法を変えたいと思います神様は少なく、書き下し文を少なくします。ここからは、お話を中心にしていきます。いつか聞いたお話ばかりになると思いますが、今の子供たちはそういった物語を伝え聞くことが少なくなっているのではないでしょうか。昔は誰でも知っているお話を紹介ししながら、その物語に隠れている意味について私なりの解説をしていきたいと思います。

本日はこれまでと致します。 皆様、良いお年をお迎えください。

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