日本神話(16)建速須佐之男命  高天原に参上(まいのぼり) 騒動へ

高天原の天照大御神は不信感の下 須佐之男命を迎えます。その姿は御髪(みかみ)を解(ほど)いて左右に御美豆羅(みみづら)を結います。これは本来男的武装、左右の手にも八尺勾璁之五百津美須麻流珠(やさかのまがたまのいほつのみすまるたま)を巻き、背に千本、脇に五百本の矢が入る靫(ゆぎ)を付け、大きな音を立てる鞆(とも)を身に着け、弓を振り立て、堅い地面を腿(もも)がめり込むくらいに踏みしめ、沫雪のように土を蹴り散らかして、荒々しく地面を踏み込み、威勢よく雄々しく勇猛に振る舞い。と完全武装でなかなかの覚悟を示されています。そのお気持ちを量るのは畏れ多いですが、真剣に対峙する覚悟が伝わります。

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彌(ここ)に天照大御神 聞き驚ろかして。「我那勢命(わがなせのみこと)の上りきます由(ゆゑ)は。必(かなら)ず善(うるは)しき心ならじ。「我國を奪はむと欲(ほ)ほすにこそ」とのりたまひて、即(すなは)ち御髪(みかみ)をとき御美豆羅(みみづら)に纏(ま)かして、左右(ひだりみぎり)の御美豆羅(みみづら)にも御鬘(みづら)にも、左右の御手(みて)にも、各(みな)八尺(やさかの)勾璁(まがたま)の五百津(いほつ)の美須麻流(みすまる)の珠(たま)を纏(ま)きもちて曾比良迩(せびらに)は千入(ちのり)の靱(ゆぎ)を負い、ひらには五百入(いほのり)の靱(ゆぎ)を附(つけ)また伊都(いつ)の竹鞆(たかとも)をとり佩(おば)して。弓腹(ゆみはら)振りたてて。堅庭(かたにわ)には向股(むかもも)に蹈(ふ)なづみ、沫雪如(あわゆきなす)蹶散(くえはらら)して。稜威(いつ)の男建蹈(おたけびふ)み建(たけ)びて。待ち問ひたまひしく。
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今回は区切りの都合でここまでです。さあ皆さん、この後 二柱の姉弟神はどうなると思いますか。
天照大御神は須佐之男命の本意を計りかねておられます。またまた騒動の予感です。

本日はここまでと致します。

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